小さな手で大きな道具を支え、緊張した面持ちで宝石を削る少女。
自分で選んだ水晶を、金具にはめてトントントン。
先生は甲府で活躍するジュエリー作家のおじさん。
本物のキラキラアクセサリーを小さな手で本物の機械を使って一生懸命作る娘さん姿を写真に収めるお父さんがとっても嬉しそうでした。
土日祝日は実演や体験ができ、多くの観光客が訪れています。
もしかしたら甲府、山梨に住む人より、県外の方のほうがこの場所のことを詳しいかもしれません。
それぞれのレベルに合わせたものが作れるそうですよ。本物の体験ができる場所として人気です。
さて、みなさんはなぜ甲府にジュエリーミュージアムがあるかご存知ですか?
それはここがあるからです!
日本の名勝地 御岳(みたけ)昇仙峡です!
全国観光地百選・渓谷の部第1位(昭和25年)、「平成百景」第2位(平成21年)、
「平成の名水百選」(平成20年)にも選定されている甲府が誇る渓谷です!
渓谷美を誇るこの昇仙峡は実は水晶の産地です。
ここから連なる山筋が国産の水晶のとれる場所なんです。
天保年間(1830~45年)に京都からきた玉摺弥助(たますりやすけ)が、
御岳(みたけ)の御師(おし)(※1)に水晶の研磨技術を教えたのが、
甲府の水晶研磨の始まりと言われています。
その後、御岳の特産品となり、明治時代には甲府で水晶研磨がさかんになり、
宝飾産業が発展していきました。
水晶採掘場所:水晶峠(すいしょうとうげ)、乙女鉱山(おとめこうざん)
※1御師:寺や神社の参詣者を案内したり、世話をする者のこと
これは昭和時代の昇仙峡のお土産です。
「甲府」の札をもち、首に葡萄をつるしたこのこけしの置物は
今では採れない甲府の本水晶を使った貴重なものです。
大正に開催された県下の産業を集めた「甲府勧業共進會」でも
一番最初の産業に挙げられているのが「水晶」です。それほど大きな産業だったんですね。
昭和初期に発行された「甲斐勝景寫眞帖」にも水晶細工の歴史とともに、
今なお続く水晶・宝飾やさんの広告が掲載されています。
現在も水晶研磨から宝石のデザイン、販売、輸入と
形を変えてたくさんの宝飾関係に携わる会社があります。
ジュエリーのマーケット規模はバブル期の1/2。
それでも山梨にあるジュエリー産業に携わる会社は1000社を超えていて、
国内に流通するジュエリーのおよそ1/3は今でも山梨で生み出されています。
以前書いたブログにも、甲府のジュエリー、水晶産業を支える人をたくさん紹介しました。
価値ある、そして非常に尊いものが甲府の産業です。
マーケットが日本、そして世界です。
都内の百貨店でも甲府の現代の名工がピックアップされ逸品として扱われています。
動画をぜひ見て下さい。
数万年という自然が作り出したものを、形にしていく。
それはそれは貴重です。
甲府は水晶研磨の技術を高め、極めていったことで日本で一番の宝石の町になりました。
山梨の、特に甲府は街角の何気ないところに、工房が点在していて、
そこでものすごい技術を持った人たちが世界に向けて美しいものを作りだしています。
ここしかない技術をもつ名工や会社ばかりです。
真珠を加工する技術もあります。
そんな名工たちが手掛ける作品は全国で手に入れることができますが、
甲府ではこのジュエリーミュージアムや商工会議所、アイメッセ山梨、そしてそれぞれの会社などで展示会やファクトリーセールなども開かれます。
先日ジュエリーミュージアムがある防災新館で開かれていたファクトリーセールに行ってきました。
価格が山梨価格というか産地価格です。結婚指輪や婚約指輪の「給料何か月分」っていうのも、
山梨で買うと、それこそ、もっとすごいクオリティものを手に入れられるのかなーなんて。
安く済ませるか、値段をそのままでクオリティを上げるか、どちらかの選択ができます
買えないですけれど、見るだけはタダなので、セールに遊びに行くことが趣味になっています。
目の保養になります。
ダイヤモンドの鑑定士は本物を見続けることで本物と偽物の違いが判るようになるとどこかで聞いたような気がするのでとにかく本物を見まくっています。
是非皆さんも一度、本物のジュエリーがあふれる甲府にいらしてみませんか?
女性は目がキラキラしますし、男性はおねだりされないかドキドキすると思います。
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