あなたのこといろいろ知っています。
どこに住んでたかも。生まれたところも。
すごいおうちに生まれて、プレッシャーもあったと思うけれど、それをはねのけて頑張ったことも。
時には家族と別れるという辛い決断をして、幸せ考えてくれていたことも。
どんなお仕事をしていたかも、わかっています。そのおかげで今があるから感謝しています。
知らないこともたくさんあるかもしれないけれど、みんなに認められて、仲間を大切にしていたことも理解しているつもりです。
奥さんが一人じゃないことも…知ってます。 こどもがたくさんいたことも。
亡くなった日がくれば、思い出してます。毎年、毎年。
誰かがあなたのフリをして私に手を振ってくれます。
この人、すてきね、あなたっぽいわね、なんて思ったり、えーー、ちがーう!この人は違う!なんて思ったり。不謹慎にも面影を勝手に重ねてしまう・・・おかしいですよね、私、あなたの顔、まだ見たことないのに。
あなたの名前を聞かない日はありません。特に最近。
目の前に旗もたってるし、ポスターもはってある… うちの近所に銅像も…
武田信玄公。 あなたに、会いたいです。
先日、世界一の切り絵アーティスト百鬼丸さんの展示&デモンストレーション「武田信玄と24将立体切り絵展」が甲府市役所の一階で開かれていたので張り切って見に行きました!
百鬼丸さんは本や雑誌の表紙連載800冊、月刊 週刊 新聞連載挿し絵も入れると10000点余りを制作されている必殺切り絵師。
2007年に今は防災新館のところで1年開かれた甲斐の国風林火山博の公式デザイナーでしたから、その作品を見ている方は多いと思います。
切り絵で勇ましさが十分に表現されていて、それはそれはかっこいい。 特に信玄公は戦国最強とその名を轟かせていたイメージそのものでした。
堂々たる体躯に、勇ましい面構え。強い武将風情を切り絵で表現されていました。
信玄公は戦国時代に生きた方。写真があるわけでもなく、お寺や博物館などに収蔵されている肖像画などがあっても「これが本人です」、という確認できるものがない。それなのに想像するのは勇ましい顔だち。
これってすごいことだよなーって思います。
広くイメージの基になっているのはこの姿ですよね、甲府駅前の信玄公像。
どーんと構え、ひげを蓄え、ゆるぎない強さを醸し出している姿。
実は、この甲府駅前の信玄公像のモデルになったといわれている信玄公像が存在していること、ご存知ですか? 今の中央2-5丁目付近、八日町で撮影された山八幡神社の例祭の様子を撮影した一枚の写真があります。大正時代のものです。
山車の上に鎮座しているのが信玄公です。大正にはあるのですから間違いなくこの像は100年以上前の信玄公です。
右手に軍配を持つたたずまいは甲府駅前の像、そのものですね。
こんなに大きな山車が出るお祭りが甲府にあったことにも驚きました!山車の高さはなんと7.2メートルもあったんだそうですよ。
道路に軌道が見えます。提灯がずらーーった並んでいるのも素敵。 山車があるいわゆる上座には山高帽をかぶった人たちがたくさんいますね。帽子の形で身分がわかる時代ですから、あの人たちがこの地域のお旦那さんたちですね。
八日町の歴史に詳しい大御所によると、お祭りのときは隣の柳町も八日町に負けじと「乙姫」像をお飾りしていたそうです。信玄公像、乙姫像に商売繁盛を祈願していたそうです! 八日町、柳町付近と言ったら甲府で一番商売の盛んな場所でしたから、そのご利益はすごいものがあったんだと思います。
時は流れ、ずっとしまわれていたこの信玄公像を 2年前に、八日町の自治会のみなさんが復活させて下さいました!
大変な組み立てだったみたいですが、山梨県立博物館の学芸員さんたちのご協力を得て復元されたそうです。
甲府駅前の信玄像より素材のせいか柔らかい印象です!お顔は、高貴な青年風ですが、眼が吊り上がり、太い眉、そしてきりっとした口元。どこか強さを感じますね。
今年の信玄公まつりの時も公開されましたからもしかしたらこれからも、どこかのイベントなどで見かけることもあるかもしれません。
お寺や博物館に収蔵されている信玄公の絵も、像も、真贋諸説あるようですが、ほんとの顔がわからなくても、強い男の雰囲気を思い浮かべることができるのが信玄公ですね。
さて、想像をたくさん膨らますことができる信玄公ですが、子孫がいます。甲府市役所に努めています。信玄公に会うことはできないけれど、子孫に会いに行ってみました。
武田家第17代 武田英信さんです。武田信玄公の次男信親(龍芳)の子孫ですから、ひいひいひいひい……おじいさまが信玄公ということです。
市役所一階に飾ってあるパネルの前でポーズをオーダーしながら写真を撮りました。 ご先祖様が甲斐の国を離れ、東京に暮らしていたのですが、英信さんが甲府市役所に就職して戻ってきたそうです。
写真を撮りながら思うことは戦国時代までさかのぼったら私はなんだったのかなということ。
その前に今が戦国時代で、腕をあげて!手はこぶしに!強い顔で!なんてことを武田家の人にオーダーしたらどうなってたか・・・と思うと、今という時代でよかったとほっと胸をなでおろすのでした。
顔がわからなくて、写真がなくても、いろいろと想像して信じることができるって面白いですよね
皆さんの思い描く信玄公ってどうですか?
500年たってもまだまだその存在が語り継がれている人って、どんな人だったのか、会いたいです。
0コメント